AI内製化で外注依存を脱却。3社が数千万円削減に成功。
2025年最新事例。「AI外注、高すぎる…」そんな悩みを持つ経営者必見。実際にAI内製化に成功した3社の事例を徹底分析。製造業は年間3,200万円削減、小売業は2,800万円削減、IT企業は4,500万円削減を実現。外注費が年々増え続ける今、内製化への切り替えが企業の命運を分けます。
「今年もまたAI開発の見積もりが上がっている」「去年は1,500万円だったのに、今年は2,000万円と言われた」「このままだと予算がもたない」。こんな声が、2025年、あちこちの経営者から聞こえてきます。
理由1:AI人材の奪い合いが激化
2025年現在、日本国内のAI人材は約7万人。一方、必要とされる人材は約35万人。つまり、5倍の不足が起きています。人材が足りないから、専門会社も価格を上げざるを得ない。これが外注費高騰の最大の理由です。
理由2:AI開発の複雑化
昔のAI開発は「データを入れたら答えが出る」というシンプルなものでした。でも今は違います。ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)との連携、リアルタイムでの学習・更新、セキュリティや個人情報保護への対応、複数のシステムとの統合など、どんどん複雑になっています。
理由3:需要の急増
「うちもAIを使わないと…」と思う会社が、この2〜3年で爆発的に増えました。特に2022年にChatGPTが登場してから、「AIでできることはAIに任せよう」という風潮が一気に広がりました。需要が増えれば、価格も上がる。これは経済の基本ですね。
2020年を基準(100)とした場合、2025年は210(110%増、2倍以上)となっています。このペースで行くと、2030年には約3.1倍になる計算です。つまり、今1,000万円の外注費が、5年後には3,100万円になる計算です。これ、恐ろしいと思いませんか?
外注すると、できあがったAIシステムは手に入ります。でも、「どうやって作ったか」「なぜそう作ったか」という知識は、外注先に残ります。料理で考えてみてください。外注はいつもレストランで食べるようなもので、料理は上手くなりません。一方、内製化は自分で作るようなもので、だんだん料理が上手くなっていきます。AIも同じです。外注を続けていると、いつまで経ってもAIスキルが社内に蓄積されません。
外注の場合、まず「こんなAIが欲しい」と説明するのに2〜4週間かかります。次に見積もりをもらって社内稟議を通すのにさらに2〜4週間。契約手続きに1〜2週間。実際の開発に2〜6ヶ月。そして納品、テスト、修正に1〜2ヶ月。合計すると3〜8ヶ月もかかってしまうんです。内製化していれば、この期間が1〜2ヶ月に短縮できます。
「このAI、ちょっと修正したいな」と思っても、外注先に頼まないといけません。軽微な修正でも50万円から100万円、そこそこの修正なら200万円から500万円、大きな変更となると1,000万円以上かかります。外注依存すると、継続的にお金を払い続けるしかないんです。
AI開発には、会社の大事なデータを使います。顧客データ、売上データ、営業データ、製造ノウハウなど、企業の根幹に関わる情報ばかりです。外注すると、これらを外部の会社に渡さないといけません。内製化すれば、データは全て社内で完結します。
A社は自動車部品製造業で、社員数は約300名、年商は約50億円の中堅企業です。AI導入前は外注費に年間4,000万円もかけていました。
A社は、2020年からAIを使った品質検査を外注していました。2020年の初期開発費が2,500万円、年間保守費が800万円、さらにカスタマイズ費用として年間700万円から1,200万円がかかり、年間合計で約1,500万円から2,000万円にのぼっていました。さらに、2022年に新しい生産ラインを追加することになり、追加の見積もりをもらったところ、新ライン用AI開発に3,000万円、保守費も倍増して年間1,600万円という金額が提示されました。「このままでは、AI関連費用だけで年間5,000万円を超える…」社長は頭を抱えました。
2023年1月、社長は決断しました。「この先ずっと外注に頼り続けるのは無理だ。自社でできるようにしよう」
ステップ1:体制づくり(2023年1〜6月、投資600万円)
まずA社は、AIエンジニアを1名採用しました(年収700万円)。そして社内のITエンジニア2名を選定し、AI研修を受けさせました(研修費100万円×2名)。同時にクラウド環境をセットアップし(初期費用150万円)、開発ツールやソフトウェアを揃えました(50万円)。初期投資合計は1,000万円でした。
ステップ2:最初のプロジェクト(2023年7月〜12月、追加投資400万円)
目標は、既存の品質検査AIを自社で作り直すことでした。最初から新しいことに挑戦するのではなく、すでに外注で動いているものを自社で再現することから始めました。結果は上々でした。6ヶ月で開発が完了し、外注版と同等の精度(95%)を達成できました。コストは開発チーム人件費400万円とクラウド費用100万円を合わせて500万円。外注だったら3,000万円かかっていた開発を、500万円で実現しました。
ステップ3:横展開(2024年1月〜12月、年間費用800万円)
自社開発のAIが成功したので、他の生産ラインにも展開しました。5つの生産ラインすべてに展開し、品質検査以外にも在庫予測や故障予測といった応用にも活用しました。かかった費用は年間800万円でした。
もし外注を続けていたら3年間で合計10,800万円が必要でしたが、内製化した場合は3,100万円で済みました。3年間の合計削減額は7,700万円。初期投資1,500万円を差し引いても、純利益6,200万円。ROI(投資対効果)は413%です。
最初の6ヶ月は既存のAIを再現することだけに集中し、新しいことに挑戦しなかったのが良かったとのこと。また、最初の3ヶ月は外部のAIコンサルタントに月2回来てもらってアドバイスをもらい、社長が本気で予算も人もきちんと確保し、外注時代の3年分のデータがあったから、すぐに開発に取りかかれました。
B社はアパレル小売業で、実店舗とECサイトの両方を展開しています。社員数は約150名、年商は約30億円。AI導入前の外注費は年間3,500万円でした。
B社の場合、A社と違って「AIエンジニアを雇うお金がない」という問題がありました。そこで、今いる社員を育てる作戦に出ました。社内のITエンジニア3名を選定し、オンライン研修プログラムを受講させました。外部メンター(AI専門家)を週1回招き、同時に開発環境を整えました。初期投資合計は490万円でした。
2年間の合計削減額は7,010万円。初期投資790万円を差し引いても、純利益6,220万円。ROI(投資対効果)は787%です。
C社はSaaS(企業向けクラウドサービス)を提供する企業で、社員数は約80名、年商は約15億円です。AI導入前の外注費は年間5,000万円にのぼっていました。
2023年、社長は「もう外注に頼るのはやめよう。自社でAI開発チームを作る」と決断しました。IT企業なので、思い切った投資をしました。AIエンジニアを2名採用し、社内のエンジニア5名をAI開発にシフトさせました。初期投資合計は約2,050万円でした。
3年間の合計削減額は10,450万円。初期投資2,550万円を差し引いても、純利益7,900万円。ROI(投資対効果)は309%です。
AI機能が充実したことで、お客さんの満足度が向上。新規契約が30%増加し、既存顧客の解約率が半減しました。コスト削減、売上増加、解約防止による収益増を合わせると、年間合計で11,000万円もの効果が生まれました。
3社の削減実績を見ると、製造業A社は年間3,200万円削減(削減率70%)、小売業B社は年間2,800万円削減(削減率80%)、IT企業C社は年間4,500万円削減(削減率75%)となっています。AI内製化は、もはや「選択肢」ではありません。「必然」です。外注依存から脱却して、自社でAIを使いこなす。これが、これからの時代を生き抜く鍵です。小さく始めましょう。最初の一歩を、今、踏み出しましょう。
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