AI時代の広報は、新聞やテレビなど他社の媒体に載ることが差別化になる。3年間広報を続け、日経やTBSのニュース番組に出た私が、メディアに出て何が変わり何が変わらなかったかを本音で書いた。出やすい人の条件や、プレスリリースの続け方も整理する。差別化に悩む経営者・広報担当者向け。
この記事の要点
正直に言うと、これはあまり書きたくなかった話だ。自分の手の内を見せるようなもので、表に出したくない情報だと思っていた。
それでも書くことにした。AI時代に何が大事かを考えたとき、私の中で外せないのが広報だからだ。
私の会社は、もう3年ぐらい広報に力を入れてきた。新聞に載せてもらい、最近はTBSのニュース番組にも出させてもらった。
その積み重ねが、ようやく実を結び始めたと感じている。今回は、そこで身に染みて分かったことを書いておきたい。
発信があふれた今こそ、広報が効くと思っている。
2010年代からSNSが広がり、誰でも発信できる世の中になった。インフルエンサーや、発信力のある個人が世にあふれている。これが今の現実だ。
そこへAIが来た。コンテンツを無限に作れる時代になってしまった。いいことではあるが、ある意味では問題だとも思っている。
そう感じるのは、私自身がそうしているからだ。私の発信は、私が喋るだけで、あとはAIが編集して出すところまでやっている。
noteの文章も、AIで自動化できてしまっている。ここまで出しやすくなると、個人が出すものはどんどん増える。
読む側の多くは、まだその変化をそれほど感じていないかもしれない。それでも、出す側の量は確実に増えている。量で目立つのは、もう難しい。
だから、個人が今から発信だけで大きく伸ばすのは、まあまあ難しいと思っている。では何がいいのか。私が行き着いた答えの1つが、広報だった。
メディアの信用力は、やっぱり絶大だった。
正直に言えば、新聞やテレビ、ラジオがすごく見られているかというと、そうではない。個人の認知を取るなら、SNSの方が反響もあるし、やりやすい。フォロワー1万人のような人も、生まれやすい世の中だ。
それでも、メディアに出ているという事実が持つ信用は別物だと感じている。
私の会社がこれまでに出たのは、たとえばこういう媒体だ。
3年ほど続けて、ようやく今になって変化が出てきた。
これが正直なところだ。個人で誰でも発信できる世界だからこそ、メディアに出ているというだけで信用が得られる。そういう状況になっていると思う。
AIで何でもできる時代は、選ぶ側が迷う時代でもある。
AIでできることの幅が広がると、「どこに任せるか問題」が必ず出てくる。システム会社でいえば、コーディングはAIでできてしまう。要件定義も、だいたいはできてしまう。
そうなると、会社ごとの差が見えにくくなる。差別化ができなくなっているのが、本当に今の現状だと思う。
その差別化の選択肢の1つとして、広報は結構重要だと考えている。
前に「AI時代に発信が武器になる理由」で、発信は外に出してこそ活きると書いた。その考えは変わっていない。個人の発信は、今もめちゃくちゃ重要だ。
今回はその例外というか、その先の話になる。自分の発信だけでは、AIで量産された情報の中に埋もれてしまう場面がある。だから自分の発信に加えて、他社の媒体に載ることもやった方がいい。
自分で言うのと、他社に取り上げてもらうのとでは、受け取られ方が違う。自分で発信できてしまう今だからこそ、他社からの評価をもらうことが重要になってくる。
メディアには、誰でも出られるわけではない。
では、どういう人が出やすいのか。一番出やすいのは、社会性がある人だと思っている。
自分の利益ももちろん大事だ。ただ、ニュースとして取り上げられるのは、こうした要素を持っている人だ。
私はもともと警察官だった。その経歴を活かして、犯罪予防に向けたAI活用のイベントを開く。ありがたいことに、メディアが2社来てくれることになっている。
正直なところ、このイベント自体で何か収益が出るわけではない。それでも、社会的に問題になりそうなことをテーマにイベントを開き、メディアに来てもらい、記事に出る。
そうやって世の中の信用を集めていく。これが、今後かなり重要な戦略になると思っている。
私の場合は、AIが出てくる前から広報をやってきた。元警察官という経歴は、広報ではかなり強い。そこで頑張ってきたものが、やっと実を結んできたのかなと感じている。
広告で取れるのは、認知までだと思っている。
今の世の中は、予算さえ使えば、ものを買ってもらうことは難しくない。SNS広告をガンガン回していけば、認知は獲得できる。
ただ、それで信用が得られるかというと、そうではない時代になってきた。
5年前ぐらいなら、SNSで広告をバンバン回せば信用も取れる世界線だったと思う。今は、広告を見てものを買う人もいるにはいるが、ぶっちゃけ少なくなっているのではないか。
だからこそ、信用のあるメディアに載ることに意味がある。オールドメディアと呼ばれるところに載ることは、今後の差別化で1つ優位に立てる可能性がある。
さらに、AIを使って何かをやる人は、これからめちゃくちゃ増えると思う。その中で差をつける要素として、他社の媒体に載っていることはかなり効いてくるはずだ。
広報は、全員が全員やる必要はない。
ここを読んでいる人の多くは、システムの仕事をしていたり、AIを使っていたりする人だと思う。その会社がみんな広報に力を入れるべきかというと、私はそうは思わない。
やった方がいいのは、たとえばこういう人や会社だ。
広報の目的は、社会からの信用だけではない。よくインナーブランディングと呼ばれるものもある。
社員が辞めにくい環境をつくることにも効く。メディアに載っている会社なら、「この会社にいてよかった」と思えることもあるはずだ。
だから広報は、やっておいて損はないと思っている。 AI時代なら、なおさら頑張った方がいい。
メディアに出れば仕事が増えるかというと、増えない。
これは誤解のないように伝えておきたい。昔の私は、メディアに出れば問い合わせがたくさん来て、すごい反響があるものだと思っていた。正直、そうではなかった。
いろいろなメディアに出させてもらったが、反響の大きさはまったく違った。
自分たちと相性のいい媒体なら、問い合わせが増えることもあるのかもしれない。ただ、大幅な問い合わせ増加を期待するものではない。
では何に価値があるのか。私は、次のような場面だと思っている。
「この会社とこの会社、どちらもいいね」となったとき、「ここはメディアに出ているから、ここにお願いしよう」となる。そういうプラス点だ。
広報は、問い合わせを大きく増やすためのものではない。信用の1ポイントを稼ぐためのものだと考えている。
広報は、AIですぐに結果が出るものではない。
広報でやれることは、地道なものしかない。
プレスリリースは、1回出せばメディアに載れるような甘い世界ではない。メディアの側も、信用のある企業かどうかをしっかり見ている。だから最初の0から1が、めちゃくちゃ難しい。
一方で、プレスリリースそのものは、AIでどんどん作れる時代になった。いいプレスリリースや大手のプレスリリースを真似て、それをAIに入れて作る。これは全然ありだと思う。
まだプレスリリースを出していない会社なら、まずはそこから地道に始めてみてほしい。続けていれば、メディアが食いついてくれることもある。
ただ、道具が便利になっても、運用を続けなければ意味がない。広報は本当に積み重ね芸だ。
会社と会社が提携してパートナーになりました、という話とは違う。昔から信用を積んできたメディアに載ることで、信用がプラスになっていく。
そのプラスが積み重なると、テレビに出て少し名前が知られるかもしれない。そこからまた仕事に繋がることもあるのかなと思っている。
自分の発信も地道に続ける。そうしてメディアの注目を集め、出させてもらい、さらに信用を高めていく。こうした話は世の中にも出ているが、私は3年やって身に染みて分かった。
すぐにやれと言われてできる話ではない。会社の戦略の1つとして、頭の片隅に置いておいてほしい。
AIで作れるものが増えるほど、続ける仕組みと信用が差になる。研修ではそこを一緒に考えている。
AI駆動研究所では、システムやAIのことを学べるeラーニングもやっている。無料でログインして使えるので、気軽に試してほしい。
10月10日には、横浜でイベントを開く。近くの人は、ぜひ足を運んでほしい。
私自身、3年間広報を続けてきて、どうすればメディアに出られそうかというノウハウも溜まってきた。広報やプレスリリースをどう始めればいいか迷っているなら、無料相談はこちらから気軽に連絡してほしい。
この内容は動画でも話しています: https://youtu.be/u_S4mPp0MGw
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