人型ロボットは中国と日本で差が開いている。幕張のテクノロジーのイベントで実物を見た、ソフトウェアを作る会社の社長の私の本音だ。ソフトだけでは負けると感じた理由、500万〜800万円ほどで買える中国のロボット、倒れたときの危なさ、流行りで終わる可能性まで整理した。AIの次の波を見極めたい経営者・担当者向け。
この記事の要点
幕張に、東京モビリティショーを見に行った。会場では、モビリティショーのほかにテクノロジーのイベントもやっていた。
今流行りの人型ロボットが並び、最新のテクノロジーがいろいろと展示されていた。せっかくなので、そちらにも足を運んだ。
見終わって最初に浮かんだ感想は、一言で言うとこうだ。日本と中国、特に中国のロボットとの差が、相当開いている。
私はソフトウェアを作る会社を経営している。ロボットのハードについては、正直まったくの素人だ。そんな私でも分かるほど、差ははっきりしていた。
中国の人型ロボットは、明らかにレベルが違った。
会場には中国のロボットだけでなく、日本の国産の人型ロボットも出ていた。両方を見比べることができた。
見比べた感想は、正直に言って「こんなにレベルが違うのか」だった。専門的な評価ではない。素人が見ても、明らかに違うと分かる差だった。
私はソフトウェアを作る側の人間だ。ハードにどんな技術が使われていて、どういう仕組みで動いているのかは、ぶっちゃけ分からない。
それでも差は分かった。何が違ったのかを言葉にすると、こうなる。
分からない人間にも分かる差というのは、かなり大きな差だと思う。
印象に残ったのは、体幹の強さだ。
中国のロボットは、体幹でしっかりバランスをとっていた。足腰が安定していて、立ち姿も動きも本当に人っぽい。会場では踊っているロボットもいた。
「うわ、これはすごい」と思った。同時に「今の時点でこれか」とも思った。今がこのレベルなら、この先はどうなるのか。
実用化という観点で見ると、まだ時間はかかりそうだ。会場で踊っていても、それがすぐ現場で働くわけではない。それでも、これは間違いなく今後来るジャンルだと感じた。
人型ロボットが実際に動くところを見たのは、今回が2回目くらいだった。
画面越しに見ると、普通に動いているので軽そうに思える。でも実物を前にすると、まず大きさに驚く。こんなに大きな巨体が、こんなになめらかに動くのか、と。
この感覚は、画面越しではなかなか伝わらないと思う。だからこそ、気になる人には実物を自分の目で見てほしい。
凄さと同じくらい、怖さも感じた。
あれだけの巨体だ。普通に動いているから軽そうに見えるが、実際はかなり重いはずだ。私の感覚では、60キロや70キロ、もしかするともっとあるのではないかと思う。
その重さのものが倒れたら、どうなるか。事故を起こしたり、暴走したりしたら、相当大変なことになる。
人間なら、倒れそうになったときに「危ない」と思って、反射で体が動く。ロボットには、おそらくその反射がない。
60キロのものがドカーンと倒れてきたときの衝撃は、とんでもないと思う。そのとき周りの人はどうなるのか。ここは、リアルに今後の課題だと感じた。
高齢者の介護ができる、という夢のある話もある。ただ、今の制度のまま生活の中に入ってくると、正直危ない。
テクノロジーが進化する凄さと、少し恐ろしいという気持ち。会場を出たあとも、その両方が残った。
一番揺さぶられたのは、自分の仕事についての考えだった。
会場には人型ロボットのほかにも、深海の探査機や宇宙系の展示が多くあった。どれも、私たちがソフトウェアで作っているもののレベル感を超えてきていた。
今は多くの人が、Claude Codeなどを使って、パソコンの中でいろいろなものを作っている。ローカルAIも出てきて、パソコン上のサービスはどんどん便利になった。
それ自体はいい。でも、それを超えて、実体として何かを起こせるもの。ハード面で動かすものを作っていかないと、今後は負けていく気がした。
ハードに手を出すと、予算がかかる。その点ソフトウェアは手堅く、予算がかからなくていい。私もそう思っているところがある。
ただ、予算がかからないということは、多くの人が手を出せるということだ。実際、今はそういう時代になった。だからパソコンの中で完結する仕事は、今後なくなっていくだろうと感じている。
前に「ソフトウェア会社はなくなるのか」で、半分ぐらいはなくなると書いた。その考えは変わっていない。今回見たものは、その理由を別の角度から見せてくれた気がする。
正直に言えば、深海や宇宙の事業が、すぐに皆さんの身近に関わってくる可能性は高くない。それでも、そのジャンルの事業を見て「すっげえな」と率直に思った。いろいろやりたい、という気持ちになった。
次の勝負は、ハードの上に載せる「脳みそ」だと思う。
現物のハードは、すでにできてきている。これからは、そのハードを活かして何をやらせるか、どんなことができるかが問われる。脳みそをどうしていくか、という戦いになっていくと感じた。
その知能を作る道具として、ClaudeやCodexのようなAIをうまく使う。ロボットに知能を埋め込む戦いに、今後は間違いなくなると思っている。
ここで面白いのが、中国のモデルだ。オープンソース型と言われていて、ハード自体も買える状況になっている。
私自身も、すぐに買えるかと言われたら買えない。それでも、明らかに夢のある分野だと思う。お金に余裕がある方は、ハードを買って挑戦してみるのも全然ありだと思った。
ソフトだけで勝負していた人が、ハードを買って知能を載せる側に回る。そういう選択肢が、手の届かない夢ではなくなりつつあるのかもしれない。
ただ、浮かれてばかりもいられない。
メタバースやNFTが流行ったときも、同じような空気だった。メタバースの空間には、すごい数の人が集まっていた。
今回の幕張も同じだった。人型ロボットの展示には、すごい人が群がっていた。だからこそ、いっときの流行りで終わる可能性はゼロではないと思っている。
メタバースのときも、人はたくさん集まっていた。それでも私は「これは普及しないだろうな」と感じていた。
人型ロボットは、すごいビッグウェーブになるのか。ラジコンでコントロールできるもので終わってしまうのか。今の時点では、正直分からない。
それでも、すごく可能性は感じた。今の私の見立てはこうだ。
前に「5年後の仕事はAIでどうなるか」で、パソコン上の作業の多くはAIに取られると書いた。人型ロボットが身近に来るのも、同じくらいの時間軸なのかもしれない。
新しいテクノロジーは、飛びつく前に使われる場面を想像したい。
人型ロボットはめちゃくちゃ来そうだ、と聞くと、つい食いつきたくなる。でも見るべきなのは、本当に実用性がありそうかどうかだ。それを自分の目で見て、感じることが非常に重要だと思っている。
同じロボットを見ても、感じ方は人によって違うはずだ。
どちらが正しいかではない。大事なのは、その先を想像できるかどうかだ。
これは人型ロボットに限らない。会社でAIや新しい道具を入れるときも、同じ問いが使える。
想像したときに「いや、なんか違うな」と感じたら、その感覚は大事にしたほうがいい。人が集まっているかどうかは、判断の材料にならない。メタバースのときの経験から、私はそう思っている。
道具の凄さより先に、それをどう運用するかを考える。 ロボットでも、AIでも、ここは変わらないと思う。
とはいえ、追うのをやめる必要はない。最新のテクノロジーという観点で追っていくと、面白い分野だと思う。
今回は、AIの話というより、私自身の体験談に近い。それでも、ソフトウェアやAIで仕事をしている人ほど、ハードの進化から目を離さないほうがいいと感じた。
私たちは、AIを「すごい」で終わらせず、自社の仕事で使える形に落とし込む会社を増やしたい。
人型ロボットを見て感じたのは、ハードはすでにできてきているということだ。これから差がつくのは、そこに何をやらせるか、どう知能を組み込むかの部分になる。
これはロボットに限らず、今ある業務とAIの関係でも同じだと思う。研修では、受講する方の実際の業務を題材に、AIに何をやらせるかを決めるところから一緒に進める。
個人の方には、AI駆動開発育成所もある。ソフトの次に何を作るかを考えながら、AIで作る力を身につけたい人に向いている。
新しい技術にどこまで乗るべきか迷っている。AIに何をやらせればいいか分からない。そんな悩みがあれば、今の状況を聞かせてほしい。無料相談はこちらから気軽に連絡してほしい。
この内容は動画でも話しています: https://youtu.be/PkgdO_ldTgk
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