AI時代に自社プロダクトを作る理由を、AIでフルスクラッチしたECサイト「ふとる飯」を社内ほぼ2人で回す私が書いた。作れるだけでは差がつかない今、価値になるのは作って売った実績だ。原体験からの企画、AIとの壁打ち、PDCA、売る力まで整理する。プロダクトを作りたい個人・経営者向け。
この記事の要点
日曜の夜、散歩をしながら考えごとをしていた。日中はいろいろと忙しく、ようやく頭が空いたのが夜だった。
考えていたのは、AI時代に、なぜ今プロダクトをやるのかということだ。
AIを触ってみて、前よりできることは増えた。でも、何をすればいいか分からない。そんな迷子のような状態の人は、多いと思う。この記事は、そういう人に向けて書いている。
プロダクトは、本当に作りやすくなった。
私は以前、オフショア開発をずっとやっていた。4年ほどだ。当時、コードを書くのは人だった。今はそれがAIに置き換わり、書けるコードの量が膨大になった。
その結果、システムは誰でも作りやすくなった。これが今の現状だと思う。
ところが、プロダクトを作って成功している人は、ほとんどいない。少なくとも日本には、あまりいないと感じている。
ここで言う成功は、ゼロイチを達成することだ。
作ることと、ここまで届くことは、まったく別の話だ。作りやすくなった今こそ、ゼロイチの経験に価値がある。 私はそう考えている。
差がつくのは、作れることではなく実績だ。
AI時代は、差別化ができなくなってきている。未経験の人でも、そこそこのホームページやデザインを作れてしまう。
受託開発のように、お客さんから依頼されてシステムを作る立場で考えてみる。何が価値になるかというと、これは完全に実績だ。
このあたりに、価値が出てくると思っている。
前に「AIで作れるだけでは仕事は来ない」で、作れるだけでは差がつかないと書いた。システムを作ること自体には、もう大した価値はないとも言ってきた。
その考えは今も変わっていない。今回はその例外の話だ。自分のプロダクトを作って売ることには、まだ価値があると思っている。
オフショアの現場の変化は「オフショア開発はAIでほぼ壊滅した」に書いた。コードを書く量で勝負できなくなったからこそ、何を作って届けたかが問われる。私はそう感じている。
プロダクトまでは作らなくていい、という人もいると思う。それでも、社内の自動化システムを自分で作ってみてほしい。全部を自分でやってみる経験は、非常に重要だ。
自社プロダクトに取り組むなら、今がチャンスだ。
逆に、今やらないと今後きつくなると思っている。
理由はシンプルで、作りやすい人がこれから増えていくからだ。今はまだ、徐々に増えてきている段階だと感じている。
その前に結果を残しておく。たとえば1年間かけて、プロダクトを1個作って積み上げる。すると「この人はこんなことをやってきたんだ。だから仕事をお願いしたい」と見てもらえるようになる。
Claude CodeやCodexを使っている人は、たくさんいると思う。ただ、トークンを無駄に消費して、よく分からないものを作るだけでは何も残らない。
おすすめしたいのは、この順番だ。
このPDCAを回すと、プロダクトの価値観や自分のやり方が見えてくる。何が重要なのかも、やって初めて分かってくる。
私たちも、自社プロダクトを作っている。「ふとる飯」という弁当のサービスだ。
システムは全部AIで作った。ECサイトも、Stripeの決済も込みで、一から全てフルスクラッチで構築している。ノーコードでECサイトを作れるサービスは、一切使っていない。
管理画面も自分たちで作った。
今月は、購入数で大体100人ほどに買ってもらえた。サブスクリプションで続けてくれる人もいる。SaaSではなく食品のECだが、AIを使うことで、いろいろなことが自動化できている。
ふとる飯を届けたい相手は、頑張っている学生のアスリートだ。
これを読んでいる人の多くは、太りたいとは思わないだろう。むしろ痩せたい人の方が多いと思う。ただ、太りたいのに太れない人も結構多い。
私自身がそうだった。学生時代に野球をやっていて、本当に太れなくて悩んでいた。毎時間のように餅を食べて、少しでも太れるように頑張った。それでも結局、太れなかった。
同じ悩みを持つ人は、たくさんいるはずだ。その悩みを解決したい。原体験があるから、これを多くの人に広めたいと思えた。
ふとる飯は、システムだけでできているわけではない。現物の弁当があり、マーケティングやPRもある。
これを10人以上のECチームで回しているわけではない。私を含めて、社内ではほぼ2人で回している。
ゼロから全部を組み上げた経験は、他では得られない。
やってみると「こういうのはやっぱり大変だよね」という感覚が分かってくる。多くの人は、そこまでやっていない。だからこの経験は、他社さんの仕事でも、現時点でプラスになっている。
システムだけのサービスでも同じだと思う。AIを使った何かのサービスでもいい。一から組み、マーケティングもゼロからやり、ユーザーを集める。まずこれをやることが重要だ。
プロダクトは、自分の原体験から作るのがいい。
作ること自体は簡単になった。難しいのは、誰のために、何のために、どうやって届けるかだ。作ることはできても、意味のあるものを作るのが難しい。多くの人の悩みは、ここにあると思っている。
AIと壁打ちしながら、儲かりそうなものを考えてやってみた。このやり方は、大体うまくいかないと思っている。
理由は、自分がその悩みを本当には知らないからだ。深いところまで理解できていないものを、届く形にするのは難しい。
だから、自分の原体験をしっかり持ち、その悩みを解決するものを作る。これがめちゃくちゃ重要だ。
もちろん、プロダクトを1個作るにはいろいろなことがある。
ここも一から全部考えないといけない。正直、結構大変だ。ただ、これをやっていない人がめちゃくちゃ多い。
Claude Codeで何か作れる人はいる。けれど、AIで一から作り、自社で回し、他社にも展開している人はなかなかいない。
有料の市場規模調査を探す前に、まずAIとガンガン壁打ちしてほしい。Claude CodeでもCodexでも、道具は何でもいい。
壁打ちすると、いろいろなアイデアが出てくる。実行するかどうかは自分次第だ。いけると思ったら、実行に移してほしい。
ただし、AIがいくら「いける」と言っても、うまくいかない。そこから、うまくいくようにPDCAを回しまくる。結局これが、プロダクトの成功への道だと思う。
AIが使えるだけで成功できるなら、AIを使える人はみんな成功しているはずだ。そうなっていないのは、ここをやれていないからだと思う。
商品が作れても、売る方法を知らなければ売れない。
今は、多くのプロダクトを簡単に作れる時代になった。読んでいる人も、今すぐ何かしらの物は作れると思う。
いい商品なら売れる。ただ、1日2日でいい商品を作るのは、そんなに簡単ではない。それを有料にするのも、そもそも簡単ではない。
だから、マーケティングの勉強も必要になる。ブランディングを含めて、多くの人にどう届けるかをしっかり考える。ここまでできる人は、まあまあいない。
AIを少し触れるだけなら、他の人よりはできるかもしれない。でも、それで成功できるかと言えば、そうではないと思う。
会社で考えるなら、社内の自動化もプロダクトと同じだ。
まず、自分の周りの不便を、自然に自動化していく。それを積み重ねていく。すると「これ、他の人も同じ悩みを抱えているんじゃないか」と気づく瞬間がある。そこで売ってみる。
道具を入れることが先ではない。自分たちの業務をどう回すかを先に考える。その運用の中から、外に出せるものが生まれてくる。
私の発信も、この形で自動化している。
日曜の夜に話を録って、パソコンに入れる。あとはAIが勝手に編集して、夜の10時か11時には公開される見込みだ。その間、私は風呂に入り、ご飯を食べ、楽しみにしている番組を見て待っている。
素材が1本あると、そこから次のものが自動で作られ、投稿される。
仕組みの中身は「編集をAIで自動化した仕組み」に書いた。AIを使えるなら、まずこういう自動化をどんどんやってほしい。
やってほしいことは、コツコツ努力することだ。
こんな単純なことかと思った人には、申し訳ない。ただ、AIでスピード感はめちゃくちゃ速くなった。速くなったからこそ、地道にやることが重要になっている。そして、それをやらない人がめちゃくちゃ多い。
1年後、2年後には、もっと多くの人がAIを使える状況に、100%なると思う。そのときに、AIで実際にやってきた実績がある人とない人。これは天地の差だ。
たとえば、こんな2人がいたとする。
どちらが信用できるか。人にもよると思うが、きっと後者だと思う。
私も最新のAIツールはめちゃくちゃ触っている。でも、最新の情報は追っても追ってもキリがない。正直なところだ。
AIで、すごくスピーディーにいろいろなものができる世界になった。それでも最終的な努力は、地道にやるしかない。誰でも作れる時代だからこそ、積み上げた実績が差別化になる。
私たちは、AIで作れる人ではなく、作って届けられる人を増やしたいと考えている。
ふとる飯のECも、社内の自動化も、AIで作るところから始まった。ただ、作るだけでは何も残らない。誰のために作り、どう回して、どう届けるかまで考えて、初めて実績になる。
研修では、受講する方の実際の業務やアイデアを題材に、作るところから回すところまで一緒に進める。
個人の方には、AI駆動開発育成所もある。自分の原体験を形にして、AIで実績を積みたい人に向いている。
社内の自動化をどこから始めればいいか分からない。プロダクトを作ってみたいが、何を作ればいいか迷っている。そんな悩みがあれば、今の状況を聞かせてほしい。無料相談はこちらから気軽に連絡してほしい。
この内容は動画でも話しています: https://youtu.be/RGPAqWcn1Nw
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