AI人材の市場価値は、発信より他者評価と自動化で決まると思う。横浜でAIと詐欺のイベントを開いた元警察官の私が、参加者のほとんどがAIを使っていなかった現実から、FDE人材がいない理由と、24時間エージェントより先に今の仕事を自動化する順番を書いた。経営者・会社員向け。
この記事の要点
10月10日、横浜でイベントをやってきた。テーマは「元警察官×テクノロジー」。私はもともと警察官をしていたので、その経験からAIと詐欺の話をした。
前に同じようなイベントを開いたときは、申し込みがゼロ人だった。あのときは本当に最悪な思いをした。
今回は、10人ほどが申し込んでくれた。10人でも、私にとっては本当にありがたい数字だった。
AIが広まるほど、詐欺の手口は増えていくと思っている。
会場では、参加者にQRコードを読み込んでもらった。そのうえで、ネットの裏側で何が起きているのかを、できるだけ見やすく説明した。
メディアの方も来てくれた。2社のメディアに載る予定になっている。大盛況とまでは言えないが、イベント自体はすごく良かったと思う。
一番印象に残ったのは、参加者のほとんどがAIを使っていなかったことだ。AIに全く興味がない人も多かった。
それでも説明を聞くと、「すごい」「こんなことに使えるんだ」という反応が返ってきた。興味がなかった人たちも、AIの力を理解し始めている状況なのだと思う。
AIに興味がある人とない人の差は、もうめちゃくちゃ開いている。 この記事を読んでいる人は、おそらく興味がある側だ。だからこそ、もう一段感度の高いところに行かないといけない。
イベントを終えてから、AI時代に勝っていくのはどんな人かを考えた。勝つにもいろいろな意味があるが、私なりの答えを書いておく。
自分の発信だけでは、信用にはつながらない。
私は普段から発信を続けている。前に「AI時代に発信が武器になる理由」で、頭の中の情報を外に出してデータを貯めようと書いた。この呼びかけは、かなり多くの人に届いた。
その考えは今も変わっていない。データを貯めていくこと自体は、間違いなくいい。
今回はその例外の話だ。自分が自分のことを語る発信だけでは、正直、信用にはつながらないと思っている。
今は、誰でも発信できる世の中になった。だからこそ、これからは他者評価が非常に重要になってくる。
他者評価と言っても、形はいくつかある。
私が特に重視しているのは、メディアの方だ。今回のイベントにメディアの方が来てくれたのも、私にとっては大きい。広報の考え方は「AI時代の広報はオールドメディアに載ること」にも書いた。
AIを使える人は、これからどんどん増えていく。AIを使えると名乗るだけなら、誰でもできる。
そうなると、本人の言葉だけでは差がつかない。誰とつながっていて、どこに評価されているか。そこが、その人の市場価値を支えるようになると思う。
全く別の軸として、とにかく自動化を進めていく人は強い。
本当にガンガン手を動かしている人かどうか。外から見極めるのは、正直難しい。それでも、自動化を進めていく人は、いろいろな意味で勝っていけると私は思っている。
市場のニーズで見ると、FDEと呼ばれる人材の価値が高まっている。AIに詳しく、お客様の現場に入っていける人のことだ。
この人材は、本当にいない。 求められるものが多いからだ。
テクノロジーに興味がある人は、エンジニアやIT系の人が多い。ところが、IT系にめちゃくちゃ詳しい人ほど、ビジネスは全然分からなかったりする。
逆に、ビジネスに感度が高く、そのうえでAIをゴリゴリ使える人もなかなかいない。
ビジネスに興味がある×AIをめちゃくちゃ使える。この掛け算には、確実に市場があると私は感じている。ここができる人は、やはり強い。
価値が残るのは、業界の仕組みを知っている人だ。
AIのことだけを追いかけても足りない。最新情報を追うのは、もちろんいい。そのうえで、ビジネスそのものを学んでほしい。
こうした仕組みを知り、勉強し、実際に体験していく。そういう人に価値が残る気が、私はしている。
私は昔から、いろいろな会社のシステムを組んできた。今も作り続けている。
製造業特化のように業種を絞ることはしなかった。多種多様な業種のシステムを作ってきた。これには良い面もあるし、正直ダメだと言う人もいる。
ただ、今の時代は、いろいろなことができた方がいいと私は思っている。いろいろやってきた経験を、AIでさらにブーストさせる。それが今、実現できているからだ。
読んでいる人が、そこまでやる必要はない。まずは今の仕事×AIを最大化してほしい。
進め方はシンプルだ。
こうして広げていくと、市場価値が上がっていく。お金がうまく稼げたり、自動化を進められたりする現実が、起きてくると思う。
自分で使ってみて、「こんなことができた」「あんなこともできた」と発信するのも大事だ。前の章の話とつながるが、発信の中身が自分でやったことであるかどうか。そこが信用の土台になる。
資料や報告書をAIで作るのは、もう当たり前だ。
そこで止まらず、何かを自動にすることをやってみてほしい。システムを作ることも大事だが、それだけではない。
自分の作業を便利にする。自分の作業を効率化する。まずはここから始めるのがいい。
たとえば請求書を作らせるだけなら、今はすぐにできる。差がつくのは、その先だ。
「この仕組みで、こうなったら、この請求書ができる」。この流れそのものを作る。ここができてくると、だいぶうまくいくと思う。
道具はClaude CodeでもCodexでも、何でもいい。大事なのは、自動化できる仕組み作りをしっかりやることだ。
24時間エージェントを回しているという話には、正直疑問がある。
先日ネットで、こんな人を見かけた。居酒屋にいる間もエージェントを回していて、居酒屋が終わったら仕事も終わっている、という話だった。
思わず「そんなにやる仕事があるのか」と突っ込みたくなった。実際に何が終わっているのか、見せてほしいと思った。本当かどうか分からない、大げさな人も出てきている。
私は元警察官なので、嘘はつけない。やっていることしか、やっているとは言わない。
私たちも、社内で自動化を回している。やり方はこうだ。
それでも、人がやる作業はめちゃくちゃある。そもそもタスクを入れないといけない。合っているか間違っているかを判断するのも、超大変だ。
最終的には、人が確認しないといいものは出てこない。アイデアは出てくるが、24時間かけてやるほどの作業は、正直そんなにないと思う。
前に「AIエージェントの24時間稼働は必要か」でも書いたが、この考えは変わっていない。ツッコミどころ満載の話も多いので、だまされないようにしてほしい。
24時間回る仕組みを、わざわざ作る必要はない。
自分の作業を便利にするために、AIを使う。自分ができる作業を、1つずつ自動化していく。まずはそこからでいい。
AIを使うこと自体は、めちゃくちゃいい。ただ、使うだけで終わらず、自動化まで進めてほしい。全員が全員、AIを使いこなしているわけがない。だから1つずつ進めるだけで、差がついていく。
会社で考えるなら、道具を配る前に運用を決めた方がいい。FDEのような人は、ツールを渡すだけでは育たないからだ。
市場価値の高いAI人材は、自分の業務を自分で自動化した経験から生まれる。 その経験が社内で評価され、外からも評価されていく。ここまで書いてきた他者評価と自動化は、実は1本の線でつながっている。
AIは、とんでもない速さで進化している。3年後にどうなっているか、正直ぶっちゃけ分からない。
私の仕事がなくなっている可能性も、非常に大きいと思っている。だからこそ、私も1つずつ自動化を進めながら、AIの凄さや本質的なことを伝え続けていく。
私たちは、AIを使うだけでなく、自動化まで進められる人を増やしたいと考えている。
AIを入れても、業務を理解しないまま進めると定着しない。研修では、受講する方の今の仕事を題材に、自動にする仕組みを作りながら進める。
個人の方には、AI駆動開発育成所もある。今の仕事×AIで、自分の市場価値を上げたい人に向いている。
自分の作業のどこから自動化すればいいか分からない。社内にAIを使いこなす人がいない。そんな悩みがあれば、今の業務の様子を聞かせてほしい。無料相談はこちらから気軽に連絡してほしい。
この内容は動画でも話しています: https://youtu.be/aj3g6GJ5xD8
AIテレアポは必要ない、と私は思っている。電話を受ける社長の立場と、AI面接官のサービスを作って営業し、やめた経験から、AIの電話はなぜ気づかれるのか、高額な法人営業で成約するのか、AIに任せていい仕事と人が持つべき仕事の線引きを整理した。営業や採用にAIを入れるか迷う経営者・担当者向け。
AI時代に勉強は必要か。AIに聞けば何でも答えが返る今こそ、聞く側の人間の知識が問われると思う。新聞を取り始めた私が、ネットの情報の偏り、広く浅くの知識、伝える力、子供のAI教室で見た長文を読めない現実から考えた。AI導入を進める経営者・会社員と子を持つ親向け。
IT業界への転職は、AI時代の今はおすすめしない。保育士の姉からIT企業に移りたいと相談を受け、システム会社を経営する私は止めた。キラキラに見える業界の中で、AIを使うほど仕事が増え、労働時間も減らない現実と、AIの知識を活かすならどこか、システム会社が向かう先を書いた。転職を考える人と経営者向け。